サウンドボックスのメンテナンス事例 【HMV No5A】
たいへん申し訳ありませんが、お客様からの蓄音機修理依頼には対応しておりません
※この修理事例の内容は、弊社管理の蓄音機修理内容を開示しています
※皆様がお持の蓄音機を修理する場合、参考になればという事で掲示しております
ご了承ください
サウンドボックス HMV No5A
表のカバーのビス4点と裏面のビス4点外してみましたら、ジュラルミン製振動板が破断しています。
サウンドボックス内で振動板が破れていますと、エア漏れを起こしアームからホーンまで、空気振動を効率よく伝達できないので、振幅の大きい低音域の再生が難しくなってしまいますし、音も小さくなってしまいます。
このエッヂ部分での破断というのは、製造プレス工程での加圧の問題もあるとは思いますが、製造から100年近い古い部品ですので仕方ありません。
もう一つは、針からの振動を伝えるアームの軸受けの動きが悪い事です。
この部分の動きが悪いと、レコードに刻まれた音溝をトレースしていくうえにおいて、振幅の量に対して物理的な動きが追従できず、設計者の意図した音が再生できません。
この二つの不具合が重なって、振幅の大きい低音域が再生できなかったモノです。
最後は順番に組み立てていきます。
アームの軸が入る穴部分に、粘度の低い油またはシリコングリスを少量塗布しておきます。粘度の高い油やグリスの場合は、ほこりを呼んでしまい、経時変化で固着の可能性もありますので避けます。
実際に取付して音を出します。
振動板の一部をシリコンで押さえてしまうので、若干音圧は下がり特性も変わりますが、SPレコードを十分なクオリティで再生出来るようになりました。
このHMV No5は蓄音機のサウンドボックスとして高い評価をされているもので、ダメになったから捨てるというのはとてももったいない話です。
こうやってメンテすれば、まだまだ使えるという事例を紹介しました。