エディソン C-250
所蔵蓄音機 : エディソン C-250 オフィシャル・ラボラトリー型(米国)
■エディソン C-250 オフィシャル・ラボラトリー型(米国)
エディソンは1912年から1929年まで円盤縦振動レコードと蓄音機を発売しました。
1915年10月21日にエディソン研究所の図書館で、メトロポリタン歌劇場の名花ソプラノ歌手 ”アンナ・ケース” の生の声とのすり替え実験が行われ大成功した蓄音機として有名なモデルです。それくらい音響技術的には優れた1台であった事がうかがえます。またこの美しい家具調デザインはイギリスの家具デザイナー 『トーマス・チッペンデール』 が担当したといわれています。
弊社ホールに置いていますC-250はマホガニーデザインです。(福井県立こども歴史文化館に寄贈展示されていますC-250はオークデザインです)
当時の価格で250ドルという高級機です(当時、1日働いて$1の給料がもらえた頃)
レコードは円盤型ですが縦振動方式にこだわり、この方式の大敵となりますレコード盤の反りを防止する為に分厚く重いレコードになりました。
(※縦振動方式でレコードが反ると、78回転~80回転/分 という速い回転数なので音飛びしてしまう為)
縦振動方式のレコードは他のプレーヤーの方式と互換性が無く、更にエディソンのディスクには音楽的に優れたものが少なかった事もあって、1929年にエディソンは(82歳の時)蓄音機事業から撤退をしました。
電気を使わない蓄音機は、基本的にボリューム調整が出来ませんでした。エディソンのC-250は写真中央のラッパ奥にげんこつくらいの球を配置し、ワイヤーでターンテーブル前面に接続されたスライドハンドルを動かして、ラッパから出て来る音を遮る事でボリュームコントロールを行っていました。今見ますと非常にユニークな造りです。
TEXT:M_Ichihashi