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ビクトローラ クレデンザ

所蔵蓄音機 : ビクター・ビクトローラ・クレデンザ(米国)

弊社ホールのステージ中央に堂々と置かれた『蓄音機の王様』といわれますオルソフォニック・ビクトローラ・クレデンザ です。

(円盤レコード・横振動方式)

片面5分程度しか音楽が記録ができなかった78回転のSPレコードは、クラッシックなど長い演奏になると複数枚になるものが多く、たくさんの枚数を演奏出来ますように4枚のゼンマイが仕込まれてます。フルにゼンマイを巻きますと最大でSPレコード3面の演奏が可能です。

当初レコードの録音は機械振動をラッパに集め振動板を振動させ、その先についています針で回転するレコードに音溝を刻む方式=機械式吹込み(録音)でしたが、その後マイクと真空管で信号を増幅をする電気吹込みが始まり、音のクオリティ(音質・音量)が劇的に向上しました。米国ビクター社が社運をかけて作ったといわれるのがこのクレデンザです。

電気の力で音溝の振幅を大きくする事が可能になり音も大きくなりました。サウンドボックスに内蔵されています石英だった震動板が、ジュラルミンという振動板に変更され大きな音を出す為にドーム型形状だったりタンジェンシャル(円周のギザギザ)等色々な高音質・高い耐性を兼ね備えた当時最先端の技術が盛り込まれています。

クレデンザの背面板を外した内部の写真です。

電気吹込みされたSPレコードを最良の音で再生する為に、設計はウエスタンエレクトリック社が担当。

内部に2.7mの二つに分かれた大きなエクスポネンシャネルホーンが組み込まれています。そして木で作られた箱は合板を多用して軽量化と豊かな響きを出すための対策が取られています。

両脇にはレコードを入れて保管する『アルバム』を入れられるラックが設置されています。下段は12インチレコード。上段は10インチレコードがおけるサイズになっています

全部で67,000台生産されたといわれていますクレデンザの機体ですが、弊社ホールにあります個体シリアルは No:42679が振られています。

通称カナダ型といわれる中期モデル(1928年頃製造)だと思われます。

TEXT:M_Ichihashi